付録 21タイプ食事法 シリーズ4
第4章 狭食性タイプ
動物生態学では、
【1】 単食性monophagous(ただ1種の食物しか食べない)
【2】 狭食性stenophagous (数種類の食物のみを食べる)
【3】 広食性euryphagous(多数種の生物を食べる)
という区分があります。動物生態学では重要な概念です。
狭食性の動物は、パンダ(ササ)、アリクイ(アリ、シロアリ)、コアラ(ユーカリ) ミツバチ(花の蜜)、などがいます。
人の場合、ほとんどの人は広食性ですが、狭食性を好むタイプもおられます。3つに分けました。
10 パンダタイプ
数種類の食物だけを食べ続ける狭食性タイプを【パンダタイプ】と呼びます。ラーメン好きの人の中には、一年に300回以上ラーメンを食べるという人がおられます。このかたは【パンダタイプ】と呼べます。
MEC食は、1日肉200g、卵三個、チーズ100gを30噛みして食べる食事法です。一時は大ブームになりました。食の細い人ですと、上記の食事だけでお腹がいっぱいになり、他が食べられなくなります。その場合、パンダタイプの食事法になってしまいます。合わないと体調不良。
また、一次ブームになったステーキダイエット。1日一食でステーキを食べる食事法です。痩せるための食事法です。
MEC食にしてもステーキダイエットにしても、パンダタイプでないと、短期間しか続きません。いろいろな食品が食べたくなるからです。
狭食性タイプのパンダタイプでは下記のタイプが多いので、パンダタイプとは別に単独でタイプを作りました。
11 ミツバチタイプ
砂糖類、お菓子、果物などを中心に食べる人。【カゲロウタイプ】や【ウサギタイプ】とセットのケースが多いです。
【ミツバチタイプ】は果糖依存が強いです。果糖(フルクトース)は、糖質の最小単位である単糖類です。ブドウ糖(グルコース)も単糖類です。砂糖のショ糖(スクロース)は、果糖1分子とブドウ糖1分子が結合した二糖類になります。
果糖は単糖類ですので、これ以上の消化は必要ありません。果糖はブドウ糖より早く利用されます。実際には果糖が単独で体内に存在するわけではないので、相互に作用しあいながら利用されます。
果糖はブドウ糖の10倍の糖化ストレスがあります。
●糖化ストレスとは=
【糖化】とは【糖質】で細胞が弱くなることです。糖質が体内のたんぱく質や脂質と結びついて、細胞を劣化させる現象です。
肌のシワやくすみ、シミ。内臓をはじめとする体内組織に作用して、ガンや糖尿病など多くの病気の原因になります。
12 米食い虫タイプ
そこで、不本意ながら虫をタイプの名前にしました。とくに米を中心の食性傾向にある【米食い虫タイプ】です。このタイプは、現在(2022年)は減りましたが、昭和の時代にはとても多かったです。
米を食べないと力が出ないというタイプです。2010年代にも、高校野球の世界では、お米を大盛り丼で食べることが義務づけられているチームがありました。このチームの監督が米食い虫タイプだったのでしょう。
13 ブタタイプ
パンや麺類が好きな小麦粉依存タイプです。小麦を肥料として食べる動物は多いですが、ブタは小麦が大好きです。
小麦に含まれるタンパク質グルテンが悪者扱いされています。グルテンで体調悪化する人は、グルテンアレルギーの傾向があります。グルテンが悪いわけではありません。糖化ストレスを起こす点では米も小麦も同じです。
14 トラタイプ
江戸時代から酔っ払いのことをトラと呼んでいました。酔って手のつけられない様をトラに例えたからです。
お酒が大好きというタイプです。糖質制限実践者に多いです。お酒を飲みたいので、糖質は控えています。糖質制限は素晴らしい食事法ですが、お酒を飲み過ぎれば、糖質制限者でも健康被害は大きいです。お酒好きの糖質制限者が若くしてお亡くなりになっています。お酒はほどほどに。
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